「今、パイプベッドが候補に挙がっていて…。でも、木のベッドと比較したとき自分にとっては本当はどっちがいいんだろう?」 と悩まれていませんか。
安いからといって、少なくとも「エイヤ」で買わない方が絶対いいですよ。 価格差が出るのはベッドフレームだけですから。
パイプベッドには、メリットもデメリットもあります。 ぜひ参考にしてみてください。
パイプベッドは「スチール」素材を活かした、パイプのフレームとメッシュの床板の組合せが一般的
1.素材は、スチール
パイプベッドは別名「アイアンベッド」や「スチールベッド」とも呼ばれます。
漢字に当てると「アイアン」は「鉄」、「スチール」は「鋼」。
実際には、純粋な「鉄」はそのままでは壊れやすく扱いづらいため、炭素を混在させるなどの加工をしてから用いられます。その加工したものが「鋼」です(炭素量が多いほど硬い)。
つまり素材の実態は全て「スチール」であって、呼び名は違えど結局は同じものを指します。
2.構造は、パイプ+メッシュ
「スチール」をベッドに用いるときには軽くかつコストを下げるために、パイプ(丸や四角の筒状)や、メッシュ(網状)に形状加工し、塗装やメッキをかけた部品を作ってから組み上げられます。
パイプベッドは、
- 脚やメインフレームが「パイプ」
- 床板が「メッシュ」
が一般的な構造になります。
4つのメリット(木のベッドと比較)
パイプベッドを木のベッドと比べると、次のような4つのメリットがあります。
- ベッドフレームが安い
- 通気性が高い
- 軽くて扱いやすい
- クールで圧迫感のない見た目
1.構造が単純なため、ベッドフレームが安い
パイプベッドは構造がシンプル。大量生産がしやすいためベッドフレームは安価なものが比較的多いのが特徴です。
中には1万円を切る激安のものもありますので予算を低めにおさえたい人には選びやすいベッドです。
2.すきまが多いため、通気性が高い
パイプベッドの床板は「メッシュ(網状)」。
木製のベッドと比べると、マットレスとの接地面積がかなり少ない(「すのこ」よりも断然少ない)です。
そのため、マットレスを通って降りてくる寝汗の湿気をベッドの床板がさえぎりません。
ベッドの下にものを大量に詰め込まない限り、「換気」や「吸湿」、「日々のメンテ」などのカビ予防策は、木製のベッドに比べるとずいぶん楽になるはずです。
3.軽くて扱いやすい。特に掃除がしやすい。
パイプベッドは軽いため、掃除、模様替え、組み立てがしやすいのもメリットです。
模様替えや組み立てのときはもちろん、頻度の多い「掃除」では、特に良さを実感できます。
ベッドの下を掃除することを想像してみてください。木のベッドでは重くてつい後回しにしてしまいそうです。気が付いたら何年も掃除してないということも…?
その点、パイプベッドはお掃除がしやすく、清潔・快適に過ごせますね。
4.クールで圧迫感のない見た目
ベッドは最も大きな家具の1つですので、部屋の中では良くも悪くも存在感があります。
パイプベッドは木のベッドに比べるとフレームに余白が多いため、スッキリしていて、圧迫感が和らぎます。
デザイン面では、基本的にはシンプルかつクールな印象。
塗装や装飾によっては武骨な感じやガーリーな感じを演出してくれるものもあります。
5つのデメリット(木のベッドと比較)
パイプベッドを木のベッドと比べると、次のような5つのデメリットがあります。
- 耐荷重が低め
- 耐久性に劣る
- きしみが気になりやすい
- 温かみに欠ける
- 敷布団に不向き
1.耐荷重が低め
パイプベッドは、軽い割には丈夫なベッドです。でも、木製ベッドに比べると、耐荷重(※)が低めです。
※)耐荷重とは、人の重さ(体重)プラス、マットレスの重さにベッドが耐えられる重さの基準値のことで、パイプベッドは100㎏程度のものも多いです。
その基準値は静かに横たわった場合です。
大柄の体形の方は特に、耐荷重の値に注意を払うことをおすすめします。
2.耐久性に劣る
パイプベッドはパーツそれぞれが細いため、木製ベッドに比べると耐久性に劣ります。
また、長年使っていると錆(サビ)が目立ってくることもあります。
もし、生活スタイルが特に数年単位では変わらない場合や、いいものを長く使いたい場合には、パイプベッドは向かないかもしれません。
一方、少しでも長持ちさせるためには、体圧分散に優れたマットレスを用いることが有効です。
3.金属音のきしみが気になりやすい
パイプベッドは「きしみ」が気になることも。
上で触れた「耐荷重」と「耐久性」の弱さ、そしてベッドフレームの「軽さ」からも想像できるようにパイプベッドは、いわゆるドッシリしたベッドではありません。
そのため、体重や寝返りからの影響を受けやすく、少しずつネジが緩んだりフレームがゆがんだりしやすいといえます。
もし「きしみ」を感じたら、音がどこから聞こえるかチェックし、ネジの増し締めや潤滑剤、脚の裏にフエルト…などピンポイント対処することがおすすめです。
4.素材・質感ともに、温かみに欠ける
パイプベッドは温かいベッドとは言えません。
1)まず「見た目」。クールさの反面、温かみに欠けます。
2)次に「床板」。通気性が高い反面、敷く寝具次第で寝床がスースーします。
3)そして「フレーム」。例えば、冬、冷え切った部屋に帰ってきたときには、ベッドフレームに直接触わらないよう注意しながら床に就きましょう。
5.寝心地やベッドへの負担から、敷布団に不向き
最も低予算で済むことから、「パイプベッドを買って、その上に今既に持っている敷布団を敷く」と人が多くいらっしゃいます。
ただ、その組み合わせですと、いくつか注意が必要です。
まず、ゴツゴツとした寝心地が気になるかもしれません。また、そもそも、スプリングマットレスを前提としたパイプベッドもありますので、商品スペック欄での確認をおすすめします。
パイプベッドにはいろいろな種類がある
パイプベッドには、その素材の特性や質感を活かした、様々な形状やテイストのものが多く展開されています。
例えば、
- ロフトベッド
- 折りたたみベッド
- 姫系ベッド
- ヴィンテージ調ベッド
と相性がよくて人気です。
バリエーションが広がると、ベッド選びが楽しくなりますね。
クールな印象のパイプベッド4選
最後に、通気性と抜け感抜群のクールなお手軽価格パイプベッドを4つご紹介します。
①シンプルなパイプベッド
ヘッドボードを省くことで、宮付きと比べるとベッド丈が約9㎝削減できますので、部屋の寸法次第では重宝します。
枕元に置きたいものは、コンセント付きナイトテーブル(同シリーズ別売)がおしゃれで便利ですよ。
また、ベッド下は高さのあるものを選ぶと収納に活かせますよ。
②パイプロフトベッド
木製に比べて安価なモデルですが、選ぶときには、脚の太さと耐荷重や、揺れを極力抑えた安定設計のものに着目ください。
また、高さ調整できるものを選ぶと、生活スタイルや家具・荷物の量に柔軟に対応できるので便利ですよ。
③パイプ二段ベッド
メッシュの床板のものは、通気性抜群ですが、簡易すぎるものは要注意です。柱の数や耐震設計のものに着目してください。
また、2つのベッドは分割して、シングルベッド2台としても利用できるものを選ぶと、お子様の成長に合わせて長くお使いいただけますよ。
④アンティーク調アイアンベッド(天然木ウッドスプリング仕様)
シャビーシックなアイアンデコの緩やかなカーブがおしゃれな姫系ベッドといえば、アイアンベッド。
ガーリー過ぎず落ち着いたエレガントなものを選ぶと、幅広い年齢層で使えます。
まとめ
”パイプベッド”(”アイアンベッド”、”スチールベッド”とも)は、筒状の金属を組み立てたベッド。
木製ベッドに比べると、安定感が弱点で、耐荷重、耐久性、きしみに不安があります。
一方で、安くて通気性がよく、軽くて低価格なため、初めてのベッドであっても使いやすいベッドです。
また、「素材」や「質感」をうまく引き出したベッドもたくさんあり、形状やテイストにもバリエーションがあります。 是非参考にしてみてください。