ベッドを構成するフレームやマットレスの、寿命の判断方法や、商品特性による寿命の違い、そして長く使うための方法をご存知でしょうか。
ベッドを購入する前に、これらの目安が分かれば、ベッドに充てる予算や、ベッドの比較の仕方も変わってくるのではないでしょうか。
ベッドフレームもマットレスも決して安い買い物ではないですし、また、体積が大きくて重いため、処分するにも手間も費用も掛かりますから、購入するときには出来るだけ長持ちする(寿命の長い)ものを選びましょう。
そのうえで、寿命を延ばす使い方をすることが大切です。
この記事では、「寿命の長いベッドを選ぶ方法」「ベッドの寿命を少しでも延ばす方法」についてご紹介します。
「快適な状態で使える期間」も長くなるので、一石二鳥ですよね。
そもそも「寿命=買い替え時」とは…、充分機能しなくなったことを指します。
ベッドは、毎日身体に触れて使いますから、家具の中でも「寿命のある部類」に入ります。 中でも、マットレスの方はフレームよりも、寿命が短い傾向にあります。
マットレスの耐用年数の1つの目安は「約10年」と言われますが、年数よりも、実際自分のベッドが充分機能しているかどうかが重要ですよね。
まず、マットレスそのものを見たり触ったりして寿命を感じるケース。 特に、改善できないほど不衛生な場合や、触り心地、寝心地を悪く感じる場合は、寿命と判定できそうです。
他にも、最近の睡眠の質や体調の悪化の原因が、マットレスに無いかを振り返る方法もあります。 たとえば、目覚めたとき、腰が重い、肩が張る、頭痛があるなど違和感のある場合や、夜中に何度も目が覚める場合は、買い替え時のサインです。
>>>参考ベッドの寿命って?「耐用年数」や「買い替え判断」の目安とは
長持ちする(寿命の長い)ベッドフレームを選ぶ方法
ベッドの寿命は、より正確には『製品ごと』に差が出てきます。
ただ目安となるのは、『ベッドの種類ごと』による差ですので確認していきましょう。
着目すべきポイントは、「形状」「構造」「骨格部分の素材」「装飾部分の素材」「床板素材」の5点です。
1.『形状』に着目すると…
ローベッド…
伝統的で標準的なベッドのフォルムであることから、一定の強度が備わっていて、なおかつ重心が低いため、寿命の観点で言えば欠点の少ないベッドです。
ボトムベッド…
マットレスの下にあるベッドフレームが、更に「マットレス付きの床板」であるため、ベッドへの荷重負担を分散させると同時に、通気性にも優れます。
チェストベッド…
チェストベッドは、たんすの上にマットレスを乗せたようなベッドスタイルですので、頑丈です。
ベッド下は「ボックス構造」と呼ばれ、まず、引き出しの周囲が箱型になっていて、更に、引き出しの無い側も収納に使えるよう、ベッド下全体が箱型になっているのです。
そのため、ベッドの安定性が抜群です。
※)寿命が比較的短い形状は… 「(落とし込みタイプの)フロアベッド」「脚付きマットレス」「ロフトベッド」「折りたたみベッド」「ソファベッド」。
理由は、「部材が簡素」、「重心が高い」、「稼働部が劣化しやすい」、「一部分に負荷集中しやすい」、「マットレスが一体となっている」、といった点が挙げられます。
2.『構造』に着目すると…
3.『骨格部分の素材』に着目すると…
木がしなって荷重を受け止めるという点で、木製が優ります。
パイプベッドは、構造が単純なものだと溶接部分が弱点。特に出費を抑えるために敷布団を合わせて使う場合、負荷が高くなります。
4.『装飾部分の素材』に着目すると…
装飾部分の寿命は、「荷重の負担」というより、むしろ「装飾素材そのものの劣化」に影響を受けます。
「パイプ製」「木製」は骨格部分と同じ素材。つまり、「丈夫でかつ装飾が無い」ことを意味するため、必然的に寿命が長くなります。
5.『床板の素材』に着目すると…
もし、湿度が高い部屋で使う場合や、マットレスの底面の換気が十分にできない場合には、カビを繁殖させてしまい寿命を早めてしまう恐れがあります。
その結果として『すのこ』の方がかえって長持ちするということもあります。
中でも、「桐」は調湿性、「ひのき」は水に強い。塗装されている方がカビが付きづらいので参考にしてください。
>>>参考すのこベッドにおける【檜(ひのき)】の特徴7つと厳選の国産5種類
ベッドフレームの寿命を少しでも延ばす方法
ベッドフレームの寿命を少しでも延ばす方法は、3つあります。
1.敷布団ではなく、マットレスを乗せて使う
マットレスは、敷布団に比べると、体へのあたりが柔らかいだけでなく、ベッドへの負荷も小さくなります。 体圧が分散されることで、一か所に体重が集中しづらいためです。
快眠熟睡できる寝具を選ぶことが第一優先だという前提で、もしも、どちらにしようか迷われている場合は、マットレスにされることをおすすめします。
2.床板をカビさせない
ベッドの中でもっともカビやすいのが、床板とマットレスの底面との間です。
洗い流すこともできませんので、カビが一度繁殖してしまうと、根絶させることが難しく、再発しやすいのが厄介ですよね。
そこで、マットレスを浮かせて換気されることをおすすめします。
※)具体的なやり方は、マットレスの四隅を持ち上げ、10㎝~15㎝くらいの高さのものを差し込むとマットレスが浮きます。やることは以上。 外出前にしていけば何の不便も感じないと思います。
※)もし、湿気がこもっている、結露がついているといった場合には、浮かせたところに、サーキュレータや扇風機、エアコンの除湿など、空気の流れを作るとリセットされますよ。
3.ネジの増し締めを行う
マットレスをローテーションするタイミングに合わせて(3か月に1度ほどでしょうか)、ベッドの部材を連結するためのネジに、緩みがないかを確認してみてください。
もし緩んでいるようであれば、増し締め(改めて最後までネジを締めること)を行ってください。
そうすると、緩みによる劣化が加速せずに済みます。
長持ちする(寿命の長い)マットレスを選ぶ方法
購入当時においては、『種類ごと』の耐用年数の目安が参考になります。
マットレスの種類ごとに分類した場合には次のようになります。
快眠熟睡できる寝具を選ぶことが第一優先だという前提で、もしも、どちらにしようか迷われている場合は、種類ごとの特徴を捉えるための目安として参考にしてみてください。
マットレスの寿命を少しでも延ばす方法
マットレスの寿命を少しでも延ばす方法は、4つあります。
1.マットレスを床に直置きしない
マットレスを部屋の床に直置きすることはあまり推奨されていません。
見ただけで想像がつく「通気性」の問題のほかに、大きな理由があります。
それは、「床との温度差から生じる結露」が原因で、湿気や水分が逃げにくく、結果としてカビが繁殖しやすくなるためです。
2.ヘタリの偏りを分散する
マットレスは同じ場所に集中して負荷をかけると、凹んだり偏ったりしやすくなります。
そのため、マットレスは定期的に向きをローテーションさせることをおすすめします。
具体的には、季節ごと(3か月に1度)、マットレスの頭と足、裏と表を入れ替えます。
3.マットレスの底面をカビさせない
これは、ベッドフレームの寿命を少しでも長くするために上で触れた「目的」「方法」と同じです。
マットレスを浮かせて換気されることをおすすめします。
具体的なやり方は、マットレスの四隅を持ち上げ、高さ約10~15㎝のものを差し込みマットレスを浮かせてしばらく放置します。 もし、湿気や結露がひどい場合には、サーキュレータや扇風機、エアコンを使い、空気の流れを追加します。
他にも、ベッドパッドを使い、こまめに洗い替えすることも有効ですので、併せて習慣づけされることをおすすめします。
4.ダブルクッションにする
具体的にはボトムベッドに乗せます。
ボトムベッドは、「マットレス付きフレーム」にマットレスを乗せるため、ベッドフレームからマットレスへ受ける反発力が軽減されます。
そのため、乗せているマットレスにとっても負担が少ないのです。
長く快適に使えるおすすめのホテルダブルクッション脚付きマットレスボトムベッド
高級ホテルベッドを、家庭向けに再設計されました。 ボトム側のマットレスには高密度ボンネルコイル。あとはお好みのマットレスを選んで合わせるだけ。
ベッドフレーム・マットレスともに「通気性」「負荷分散」が保たれて、長く快適に使うことができます。
まとめ
ベッドフレームにもマットレスにも寿命があり、寿命の長さの傾向は、その種類ごとに異なります。 また、それぞれ少しでも長く使うための方法も見てきました。
快適に熟睡できる環境が続くように、長く使えるものを組み合わせてお選びください。
値段や保証年数に惑わされないよう、ぜひ参考にしてみてください。
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