ベッドはやっぱり木製がいい。でもデメリットはないだろうかと悩まれていませんか。
購入してから後悔しないために木製のベッドのことについて全体像を是非知っておいてください。
この記事を読むと
- 木製ベッドの素材(板の構成・樹種)
- 木製ベッドのメリット(利点)
- 木製ベッドのデメリット(難点)
が分かります。
後悔しないのベッド選びにお役に立てればと思います。
木製ベッドの素材
木製ベッドは、引いて見ると部屋や家具との調和、寄って見ると美しい木目、香り、なんだかほっこりしますよね。
ベッドに使われる素材は、文字通り「木」。
板の構成と、樹種に違いがあります。
板の構成は7種類
まず大きく分けると2種類、木が生きているかどうか。
- 生きているのが無垢材(①②)
- そうでないものは木質材料(③~⑥⑦)
(間違いやすい:無垢材は塗装をしていないという意味ではない)
①一枚板
無垢材で分かりやすいのは「一枚板」、丸太から必要な大きさに切りだしたそのままです。
大きな板を切り出すためには直径の大きな木が必要になるため一枚板は希少です。
②幅はぎ材
少し妥協して、複数の板を繊維方向を揃えて並べ、側面だけ繋げたものを「幅はぎ材」といいます。
これも木が生きているので「無垢材」と表現していいかもしれません。
③集成材
長さが短く不揃いの板を縦にジョイント※した上で、繊維方向を揃えて並べ側面を繋げたものを「集成材」といいます。
不揃いの木が木の成長をけん制しあうため、板全体の反りが抑えられます。
そういう意味では「木が生きてはいない」というと言い過ぎかもしれませんね。
※縦方向へのジョイントはギザギザでつながったのを見たことないでしょうか。フィンガージョイントといいます。
④木質ボード
木の繊維・チップを固めたものを、「木質ボード」といいます。
板の反りはほとんど起こりません。 また木目が完全に無くなります。
⑤ベニヤ(合板)
スライスされた単板を複数用意し、垂直方向に互い違いに重ねて貼り付けたものを「ベニヤ」といいます。
重ねて使う前提のため、美しい木目を持たないものがベニヤに使われます。
⑥突板
木目の美しい広めの木を薄くスライスして、④木質ボードや⑤ベニヤに貼り付けたものを「突板」といいます。
木目の美しい広めの木は希少なため、複数の家具に振り分けて有効活用しようという考え方です。
以上、ここまで全て天然木です。
ということで、ほとんどの木製ベッドは天然木です。
他には、
⑦突板もどき があります。
木目調にプリントされたシールを④木質ボードや⑤ベニヤに貼り付けたものです。
1,000円くらいのカラーボックスによく使われているので目にしたことがあるのでは。
まとめると…
・「天然木!」とアピールされた商品は単に「⑦突板もどきではありませんよ」という意味です。
・「無垢材!」の表現は「①一枚板または②幅はぎ材で作りました」という意味です。
写真を見て本当にそうなっているか、念の為、確認した方がいいかもしれません。
ベッドフレームに使われる樹種は4種類
樹種は「桐」「ひのき」「杉」「パイン(赤松)」の4種類が主流です。
特に強い点を挙げると、
- 桐… カビ対策、断熱性、軽さ、防臭、防虫、軽い
- ひのき… カビ対策、防腐、見た目、リラックス、消臭、防ダニ、防蟻
- 杉… 安価、防ダニ
- パイン… 見た目、防ダニ
これらはあくまで「特に強い点」です。
どれを選んでも失敗ではないのでご安心ください。
5つのメリット(スチールフレームと比較)
木製ベッドをスチールフレームと比べると、5つのメリットがあります。
1.耐荷重が高め
木製ベッドは、スチールフレームに比べると、耐荷重が高めです。
耐荷重とは、人の重さ(体重)プラス、マットレスの重さにベッドが耐えられる重さの基準値のこと。
パイプベッドが100㎏程度のものも多いのに対し、木製ベッドは150㎏以上、頑丈なものでは600㎏というものまであります。
体重の重い人、二人以上で寝る人にとっては木製ベッドの方が安心できますね。
2.耐久性にまさる
木製ベッドはパーツが太いため、スチールフレームに比べると耐久性にまさります。
また、長年使っても錆(サビ)が起こりません。
湿度の高いところに放置していれば腐って朽ちることもありえますが、それでも何十年先というレベルです。
基本的には長持ちします。
3.きしみが気になりにくい
木製ベッドはスチールフレームに比べると「きしみ」が気になりにくいです。
上で触れた「耐荷重」と「耐久性」の強さ、そしてベッドフレームの「重さ」からも想像できるように木製ベッドは、基本的にドッシリしたベッドになります。
そのため、寝ている人の体重や動きからの影響を受けにくく、ネジの緩みが遅く、フレームがゆがむことも少ないのが特徴です。
ただ「きしみ」がまったくないということではありません。
もし気になりだしたら、音がどこから聞こえるかチェックし、ネジの増し締め、潤滑剤の利用、脚の裏にフエルトを貼付…といった対処がおすすめです。
4.温かみがある
木製のベッドは2つの意味で温かみがあります。
1)見た目
スチールフレームがクールなのに対して木製ベッドは、温かみを感じます。
2)触感
例えば、冬、冷え切った部屋に帰ってきてすぐ寝るときに、ベッドフレームに直接触ったとしてもスチールフレームほどの冷たさを感じないでしょう。
5.リラックス効果
天然の木は、フィトンチッドという精油成分により、森林浴のようなリラックス効果をもたらします。
無垢の方が香りが強くまた長持ちします。
樹種では「ひのき」が一番人気。次いで「パイン」「杉」「桐」の順番です。
質のいい眠りのスイッチに。
4つのデメリット(スチールフレームと比較)
木製ベッドをスチールフレームと比べると、4つのデメリットがあります。
1.ベッドフレームの価格が高め
木製ベッドはスチールフレームに比べると個体差が生まれやすく、部材の大量生産がしづらいため比較的価格帯が高くなります。
ただ、使用する部材が少ないフロアベッドであれば、激安のものが見つかりやすいです。
2.通気性に劣る
木製ベッドの床板は「すのこ」「木質ボード」「ベニヤ」が一般的。
スチールメッシュの床板と比べると、マットレスとの接地面積が大きくなります。
そのため、マットレスを通って降りてくる寝汗の湿気をベッドの床板がさえぎってしまいます。
天然木はある程度の調湿性能があるものの、湿度の高い日本の住環境においては、マットレス下の換気※は定期的にされることをおすすめします。
※手軽でおすすめの換気方法… 10~20cm程度の同じ高さのものを4つ用意してマットレスの四隅の下に差し込むとマットレスが浮きます。
3.重くて取り回しがしにくい
木製ベッドは重い。掃除、模様替え、組み立てがしにくいのも難点です。
模様替えや組み立ては頻度が少ないのでいいとして、掃除ではスチールフレームと差が付きます。
ベッドの下を掃除することを想像すると、木のベッドでは重くてつい後回しにしてしまいそうです。
清潔・快適なベッドライフを送るためにも月に一度はお掃除デーを作りましょう。
4.部屋を圧迫される感じを受けやすい
ベッドというと最も大きな家具の1つですので、部屋の中では良くも悪くも存在感が大きいです。
木製ベッドはスチールフレームに比べるとフレームに透け感が少ないため、圧迫感を感じやすくなります。
圧迫感を和らげるためには
- 低めのベッド
- 脚があって床がみえるベッド
を選ぶことが有効です。
まとめ
購入してから後悔しないために木製のベッドについて全体像を是非知っておいてください。
木板は7種類
①一枚板、②幅はぎ材、③集成材、④木質ボード、⑤ベニヤ(合板)、⑥突板、⑦突板もどき
樹種は4種類
①桐、②ひのき、③杉、④パイン(赤松)
メリット(スチールフレームと比較)
1.耐荷重が高め、2.耐久性にまさる、3.きしみが気になりにくい、4.温かみがある、5.リラックス効果
デメリット(スチールフレームと比較)
1.ベッドフレームの価格が高め、2.通気性に劣る、3.重くて取り回しがしにくい、4.部屋を圧迫される感じを受けやすい
これらの内容が後悔しないベッド選びの1つの材料となればうれしいです。