大容量収納が強みのチェストベッド。でもデメリットは無いだろうか…と情報をお探しではないでしょうか。
そこで記事では、チェストベッドのことが分かるように
- 特徴
- 引き出し付きベッドとの違い
- メリット・デメリット
- デメリットを和らげる対策や工夫
についてご紹介していきます。
購入前の方は是非デメリットに注目してご確認ください。
チェストベッドとは?
引き出し付きベッドとは別のジャンル
ここでは便宜上「ベッドに引き出しが付いただけのもの」を「引き出し付きベッド」という1ジャンルとし、「チェストベッド」とは別のものとして扱いたいと思います。
というのも、「チェストベッド」と「引き出し付きベッド」とでは構造がまるで異なるため、特性、メリット、デメリットが違うからです。
チェストとは
チェストとは、長持(ながもち)・櫃(ひつ)の事。 上部にフタのある比較的大きな長方形の箱です。
その中でも上部が平らなものは、昔から腰掛けや寝台として用いられてきました。 そして近世になってから、引き出しのある箪笥(たんす)型のチェストも現れました。
「チェストのベッド」は意外と昔から自然な流れで生まれたものなんですね。
チェストベッドはベッド付きのチェスト
「チェストベッド」はチェストの成り立ちからわかるようにベッド付きのチェストです。
そのため、チェスト部分はチェスト単体でも用を果たすように頑丈に作られています。
- 「長持」のように上から入れるために、ベッドは四辺全て床までが囲われています。
- 「箪笥」のように横から入れるために、引き出しはボックス構造になっています。
ボックス構造とは、
ずばり文字通り、引き出しが出入りするゾーンが箱型構造です。
つまり「奥面」「側面」「上面」の合計4面が、直方体状に、すき間なく囲われている構造です。
引き出し付きベッドにあるのにチェストベッドには無いモノ
逆に、構造上、「引き出し付きベッド」にはあって「チェストベッド」に無いものがあります。
それは、
- 引き出し側の引き出しの上のサイドフレーム
- ヘッドボードと平行な腰辺りの「線状」の脚
これらは2つとも「チェストベッド」のメリット・デメリットに影響しています。
チェストベッドのメリット
チェストベッドには次の3つのメリットがあります。
- 箪笥部・長持部ともに収納が大容量
- 耐荷重が高い
- ホコリが溜まりにくい・ホコリを浴びにくい
1.収納が大容量
ベッドの下をフルに活用し収納できる量はまさに「大容量」です。
収納物を入れる方向は3方向です。
- 【水平】ベッドサイド方向の引き出し
- 【水平】足元方向の引き出し
- 【垂直】床板をめくりあげて上から
いずれかのもの、そして、混在のものもがあります。
以降、
- 1.2.を「箪笥部」
- 3.を「長持部」
と便宜上呼ぶことにしますね。
(※上の写真は3つともそろったタイプ)
【水平】箪笥部の収納効率
「引き出し付きベッド」にはあった引き出しの上のサイドフレームが無いため、
その分、引き出しの深さ方向の収納効率がアップ。
- 頻繁に使うもの
- 他のモノに紛れさせたくない小物
を入れるのに使います。
例えば漫画などサイズのそったものを入れる「本棚」として使うのにも向いています。
【垂直】長持部の収納効率
1.「引き出し付きベッド」にはあったヘッドボードと平行な腰辺りの「線状」の脚が無いため、
- 長いものが入る
- 収納物の分割損が無い
2.ベッドは四辺全て床までが囲われているため、
- 荷物を積み上げても横に崩れない
長持部のメリットが大きい
なにより長持部のメリットが大きいです。
大きいモノ、形のいびつなモノが入るからです。
お出かけ・スポーツ
- スーツケース
- ゴルフバッグ
- スノーボード
いざという時に使うもの
- 来客用座布団
- 三脚・脚立
- DIY用品
- 防災グッズ
季節もの
- 扇風機
- 除湿器
- 加湿器
- 衣替え
- 夏用ラグ
長持部は
布団とマットレスと床板を下ろさないと開閉できないため、普段使うものは諦めます。
それでも上のリストのものが入るとなると随分スッキリした部屋がイメージできますよね。
2.耐荷重が高い
ベッドフレームが頑丈です。
そのため、耐荷重が高く、
- 体重の思いヒト
- 複数人で寝るヒトたち
は安心して寝ることができますね。
3.ホコリが溜まりにくい・ホコリを浴びにくい
「チェストベッド」はホコリが溜まりにくいのがメリットです。
というのも、長持部は床まで四辺が囲われ、箪笥部はボックス構造であることから、ホコリが侵入しづらいためです。
ベッドの下の掃除は手間を感じるものですが、その掃除をする回数が減りますものね。
また、寝ているときにホコリをかぶりにくい事も「チェストベッド」のメリットです。
一般的には寝ている時にホコリが舞いやすいのは「床からの高さ30cm近辺まで」と言われます。
収納部の高さとマットレスの厚みを足すと、50cmを超えることがほとんどですので、ホコリをかぶりにくいというわけです。
アレルギーのヒトにとっては特に大変重要なことだと思います。
チェストベッドのデメリット
チェストベッドには次のような4つのデメリットがあります。
- 価格が高め
- 寝床(座面)が高め
- おしゃれ感はインテリア的に不利
- カビリスクに向け湿気対策が必要
1.価格が高め
「チェストベッド」は、使う部材が多いため「引き出し付きベッド」よりも価格が高めになります。
【対策・工夫点】
収納を優先して価格も抑えたい場合には、他で工夫をすることがおすすめです。
例えば、
- ヘッドボードの無いモノを選ぶ
- 代わりに枕元の壁にウォールシェルフ
などいかがでしょうか。
安くておしゃれなものがありますし、あなたらしい逸品を探すのもまた楽しいと思いますよ。
2.寝床(座面)が高め
「チェストベッド」は、大容量収納のニーズにこたえるために、ベッドの中では床板の高さが高いです。
毎日の事ですので意外と座面の高さは重要です。
- ワンルームでソファが無くベッドに座る
- 体が小さい
- ご高齢
の方々にとっては特に小さなストレスがたまっていきかねません。
【対策・工夫点】
座面の高さを大容量収納の代償として受け入れるのもいいですが、例えば
- マットレスを薄めのモノ
- 引き出し一段タイプのモノ
を選ぶことで和らげることもできますので求める寝心地とのバランスでご検討ください。
3.おしゃれ感はインテリア的に不利
3-1)フォルム
「チェストベッド」はチェストの上にマットレスを敷いた構造ですので、いわゆる「ベッドの形自体に宿る可愛らしいフォルム」が崩れています。
そのため、テイストは、
北欧、カントリー、ヴィンテージ、インダストリアル、アジア、男前、姫系
は少ない傾向にあります。
【対策・工夫点】
シンプルモダン、アーバン、ラグジュアリ
なものであれば種類があります。
お部屋のテイストやあなたの趣味嗜好に合うかチェックして探してみてください。
3-2)床が見えない
家具全体にいえることですが、家具の下の床が見えると、部屋が広く見えます。
床を覆っている面積で物の多さを認識するからでしょうか…その点、細い脚で支えられた形の「ローベッド」は部屋が広く見えます。
「チェストベッド」はベッドの四辺を床まで囲まれているため、ベッドの下に空間はなく、当然ベッド下の床は見えませんので、部屋を狭く見せてしまいます。
【対策・工夫点】
大容量収納を活かして、部屋の収納家具か散らかって床を隠してしまっているモノを減らしてください。
ベッドの選び方として、
- 季節ものや大物が溢れているなら、長持部が大きいモノを。
- 衣服や小物が溢れているなら、箪笥部が多いモノを。
- 布団の収納で困っているなら、足元に大きめの箪笥部のモノを。
選ぶようにしてください。
3-3)圧迫感
また、繰り返しになりますが「チェストベッド」は、上に触れたように座面が高いのでそこに掛け布団を載せると、かなりの高さになり、部屋の中で存在感たっぷり。
つまり、圧迫感を感じやすいです。
【対策・工夫点】
もちろんもしスペースが許せばですが…
ベッドを部屋の入口から窓に向かう動線から外して置くと圧迫感は少し和らぎますよ。
4.カビリスクに向け湿気対策が必要
「チェストベッド」は、大容量収納のニーズにこたえるために、床板に割り当てられたスペースが薄いです。
そのため一定の厚みを必要とする「すのこ」は採用されないことが多いです。
仮に「すのこ」を採用したところで、床板のすぐ下(つまり収納部の上部)はほぼ密閉されています。
そのイメージがあるため、値段と座面の高さが上がってしまう事も相まって「すのこ」は敬遠される事につながるわけです。
ただ「すのこ」による通気性メリットはその薄い空間だけしか得られませんが、それでも「すのこ」有りの方がカビリスクは軽減されます。
【対策・工夫点】
カビリスクの対策はたくさんありますが、全部やっていては大変です。
あなたの環境で思い当たる原因に絞って予防策を打ちましょう。
まとめ
チェストベッドは大容量収納によってお部屋を広くしてくれる丈夫なベッドです。
一方で、チェストベッドのデメリットからはベッドを選ぶときの注意点が分かります。
使い始めてからの事をしっかり想像して、チェックポイントやデメリットを和らげる工夫を押さえて、失敗のないベッド選びをしましょう。