今まで畳に敷布団というスタイルで寝ていて、「畳ベッドってどうなんだろうか?」とご興味をお持ちではないでしょうか。
たしかに畳ベッドには、メリットとデメリット両面があります。
といっても、
”布団からベッドに替えることによるメリット(①)・デメリット(②)”
と、
”とりわけ(他ではなく)畳ベッドにするメリット(③)・デメリット(④)”
とは、別物だと思います。
この記事では、これらを明確に分けて、詳しくご紹介します。
①布団から「ベッド」に替えることによるメリット
メリット①-1.結露による湿気・カビを予防
「畳に直接敷布団」というスタイルですと、冬には底冷えの床と高湿度の敷布団の間で結露が起きやすい状況にあります。
結露になった湿度は抜けにくく、カビ繁殖の主な要因になります。
畳ベッドの床板は、底冷えしていない(部屋の温度に近い)ため、敷布団との温度差が小さく、結果、結露が起こりにくいです。
布団のじめじめ感や、冷感から解放されますし、また布団も畳も長持ちするので、このメリットは大きいですよね。
メリット①-2.ホコリを被らずに寝られる
夜中の寝室では、寝ている間にもホコリが舞っています。
一般的にホコリが舞う範囲は、床から30cmの高さに集中しますので、もし床に敷布団を敷いて寝ていると、顔にホコリを被りやすい傾向にあります。
30cm以上あるベッドに横になることによって、アレルギーや夜中にせき込むといった症状も、改善されます。
今までよりもぐっすり寝られるかもしれません。
メリット①-3.起きあがりやすい&横たわりやすい
「座布団」と「椅子」の座りやすさの違いと同様に、ベッドを利用することで、起き上がるとき・横たわるときが、ともに楽になります。
ただし、ベッド下の収納スペースの大きさを優先してしまうと、高すぎることがあるので、ご注意下さい。
メリット①-4.布団の上げ下げが楽
ベッドの場合、布団の上げ下げが楽になります。
といのも、床より少し高さのあるところで作業でき、腰への負担が少なくて済むからです。
敷く時は腰をかがめてやっていたことが多かったはずですから、きっと違いが実感できるでしょう。
また、ベッドであれば、敷布団を、ベッドの上に三つ折りに折りたたんで、置いておきやすいかもしれません。
人の目に触れない寝室など、もしそれが出来る環境であれば、布団を運ぶ手間も減りますよね。
メリット①-5.宮棚を利用できる(宮棚付きの場合)
寝るときには手許に置きたいもの。 それは、目覚まし時計、フレグランス、寝る直前まで使うメガネや読みかけの本、最近ではスマホでしょうか。 意外と多いかもしれません。
今までは畳の床に寝ていたので、枕元のあたりの畳の床に、雑然と置いていたこれらのグッズも、宮棚付きベッド(※)に寝るようになれば、スタイリッシュに片付きます。
メリット①-6.寝床の下を収納スペースに活かせる
ベッドにすることで、寝床の下を収納スペースとして有効活用することができます。
そのことで、押し入れの中が余裕で空いたり、収納家具が1つ不要になると本当に助かります。
さて、収納ベッドには、主に3種類あります。
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引き出し付きベッド
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チェストベッド
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跳ね上げ式ベッド
もし、収納付きをご検討される場合には、これらのメリットやデメリットについて、次の関連記事を参考にしてください。
1.引き出しベッドは、ベッドの脚のすき間に引き出しを取り付けたもの>>>参考引き出し付きベッドとは?チェストベッド・ローベッドとの比較
2.チェストベッドは、箪笥(たんす)の上がベッドになったもので、ベッド全体が頑丈>>>参考チェストベッドの4つのデメリットと和らげる6つの対策と工夫
3.跳ね上げ式ベッドは、収納のフタが床板。寝具を下ろさず軽々開閉できるように、ガスシリンダー付が一般的>>>参考跳ね上げ式ベッドの6つのメリットと7つのデメリット
②布団からベッドに替えることによるデメリット
デメリット②-1.昼間の居住空間を自由に広くとれなくなる
床に直接布団を敷いている場合は、起きているときには、布団を片付けさえすれば、部屋を広々と使うことができますが、一方、ベッドは、床面積を占有してしまいます。
またこのことは、一人暮らしの人にとっては、「活動」と「休憩」のすみわけがしにくい、とういう難点にもつながるかもしれません。
もし、「それでは困る」という場合には、折りたたみベッドのご検討をおすすめします。
デメリット②-2.床の掃除がしにくくなる
ベッドが部屋の床を占有してしまうということで、掃除がしにくくなります。
掃除をこまめに手軽にやりたい場合には、上で触れたように折りたたみベッドか、または、パイプベッド(アイアンベッド)のような軽いベッドがおすすめです。
デメリット②ー3.寝床の高さが落ち着かない
ベッドは高さがあるので、最初は慣れるまで、寝ていて落ち着かない気持ちになるかもしれません。
実際には転落しないとしても、薄暗い部屋で寝るわけですから、寝返りを打つたびに気になるものですよね。
もしご心配な場合や、無意識でも防御反応が出て落ち着かない場合には、ベッドガードを取り付けることをおすすめします。
③とりわけ(他のベッドではなく)畳ベッドにするメリット
メリット③-1.寝心地が、今までとほとんど変わらない
畳ベッドは、マットレスを使わず、ベッドの上に敷布団を敷いて寝るスタイルです。
「慣れ親しんだ敷布団」がそのまま使えて、その布団のすぐ下は「畳」。今までと、ほとんど寝心地が変わりません。
同じ寝具による肌ざわりや匂い、そして弾力性。 いつも通りの安心感が何より眠りの質を乱しません。
メリット③-2.通気性を確保しつつも寒くない
一般的にベッドなベッドでは、布団の上げ下げをしないため、湿気やカビのリスクが気になりませんでしょうか。
通気性を確保する有効な手段の一つとして、ベッドの床板にスチールメッシュやすのこが用いられることも。
ただ反面、もし薄手の敷布団だと冬場にスースー寒く感じる、というデメリットが生じます。
そこで、「すのこ床板の上に、畳を敷いたタイプの畳ベッド」が最強です。
通気性の高いすのこでありながら、畳が重ねてありますので寒さが軽減され、つまり寝心地を悪化させません。
メリット③-3.畳の種類が選べる
畳ベッドに限った話ではありませんが、畳の種類は年々多様化しています。
ベッド選びの時にはぜひ注目してみてください。
メリット③-4.和の小上がりにできておしゃれ
畳ベッドは布団を他の場所に片付けてしまえば、和の小上がりに変身します。
一時的に和の空間が欲しい場合には、工事せずに実現できる1つの案として、この畳ベッドを利用されることをおすすめします。 ベッドを選ぶときのポイントがあるとすれば、ヘッドレスのものを選ぶことです。
④他のベッドではなく畳ベッドにするデメリット
デメリット④-1.ダニ繁殖が心配
今までよりも悪くなるわけではありませんが、他のベッドに比べると、畳ベッドは、ダニが心配なベッドになります。
ダニ予防に有効なのは、2点。 エサとなる、「湿気」と「有機物」を取り除くのが一番です。
万年床にせず、ベッドの上で三つ折りに布団をたたむ習慣づけをすることと、こまめに畳の上に掃除機をかけることをおすすめします。
また、これまでもダニに困っていた場合には、畳ベッドとは別に、「ひのきのベッド」も候補として検討されることをおすすめします。
まとめ
畳ベッドは、寒さ・ほこり・湿気・カビを予防でき、また、起き上がりやすく、布団の上げ下げが楽で、そして、収納にも優れる…
今まで「畳の上の敷布団に寝ていた人」にとって、畳ベッドは、寝心地を変えることなく、多くのメリットを得られるおすすめのベッドです。
一方、部屋の活用自由度が下がる点や、落ちないかの不安、掃除のしにくさ、ダニの心配といったデメリットもあります。
畳ベッドにも、様々なタイプや機能がありますので、あわせて是非参考になさってください。