ベッドの床板をすのこにすることで、
「ベッド周辺のカビは防げるのか?」
「そしてもし、カビが繁殖したらどうすればいいのか?」
…といったご心配はありませんか。
結論、すのこベッドはカビ予防策の1つとして有効です。 でも、「すのこだから安心」と完全に安心できるわけではありません。
この記事では、すのこベッドに繁殖したカビを解決する方法と、それを予防する策について、ご紹介しています。 ぜひ参考にしてみてください。
すのこベッドは、基本的には、湿気に強いベッド
カビは、まず「カビの胞子」が存在し、そこに、「湿気」が滞留し、そして、「養分」があったときに繁殖しやすくなります。 つまり、カビ繁殖の条件の1つが「湿気」ですね。
とはいえ、たとえ部分的に湿気が発生したとしても、そこに空気の流れさえあれば、すぐに拡散してしまい何の問題も起こりません。
すのこベッドは、ベッドの床板にすき間があって、通気が起こりやすい構造ですので、基本的には湿気に強いベッドと言えます。
『フロアベッドのカビや湿気に、すのこって意味あるの?効果と限界とは』で書いたように、落とし込みタイプのフロアベッドでさえ、すのこは湿気対策に役立ってくれます。
でも、対策を怠るとカビることがある
すのこベッドが湿気対策に有効であるとはいえ、すのこベッドにしたからと言って、対策を怠るとカビが繁殖する可能性がゼロにはなりません。
むしろ、逆の話も聞いたことがあります。 ベッドメーカーの補修部門の方の話によると…
ベッドの保証期間中に「カビが原因」で補修に持ち込まれるのは、フラット板よりも、すのこの率が高い
のだそうです。
通気性に優れたすのこの率が高いのは、すのこに頼るあまり、対策を怠ったことが原因では?
との見解でした。
やはり、床板がすのこであることは、カビ予防策の1つでしかないようです。
ベッド周辺で湿気がとどまりやすいメカニズム
ベッドで湿気がとどまりやすいのには、理由があります。
すのこの下側でとどまる湿気
「一晩でコップ一杯」ともいわれる寝汗は、その湿気が下方向へと進みます。
湿気が折角すのこのすき間を通過しても、ベッド下の空間が狭い場合など、空気の流れの悪い場所でとどまると危険です。
それに加えて、底冷えした床で冷やされて結露すると、更に湿気が淀みやすくなります。
すのこの上側でとどまる湿気
また、すのこの「板のある部分」は寝具と接していますから、当然通気性がよくありません。
特に、側面に呼吸機能を持たない「敷布団」を、万寝床にしてしまったときも、カビが繁殖しやすくなります。
居住環境の影響も
同じようなベッドに寝て、同じ対策をしていても、居住環境によって、カビの出来やすさには差があります。
【カビができやすい環境の一般例】
・住居が「新築」「角部屋」「北向け」「窓が少ない」・住居の周辺が「湿地」
・室内で「加湿器を多用」「既にカビがある」
もし、すのこベッドにカビが繁殖してしまったら…
もし、すのこベッドにカビが繁殖してしまったときには、基本的には、①除菌して、②漂白します。
カビがすのこの表面についているだけなど、軽度の場合は、「①除菌」だけで済ませても問題はありません。
ステップ① 除菌します
すのこベッドに、カビが一度繁殖してしまったら、浮遊菌率を下げるためにも、カビ菌を完全除去することがまず大切です。
カビの除菌はアルコールでできます。
除菌のために用意するもの
「エタノール」… アルコールの中でも、消毒剤にも用いられるエタノールは人の身体に害がないので比較的手軽に扱えます。
またすぐ揮発するので素材をいためにくいのもメリットです。
「スプレー容器」… エタノール4に対し水1を混ぜて容器に入れます。 容積比で80%ですね。
菌の細胞に働きかけますので、濃くても薄くても効果が薄れますので、4:1の比率は割と重要です。
もし手間に感じられる場合は、消毒用に混ぜ済のものを購入されても問題ありません。
「雑巾」… 水にぬらして固く絞ったもの
除菌の手順
1)まず、ティッシュや雑巾にアルコールを含ませて、カビを拭き取る。
(最初からスプレーで吹きかけるとカビの胞子が舞うので絶対NGです。)
2)拭き取った後に、直接スプレーする。 範囲は周辺まで広めに。
3)もう一度拭き取る。入念に。
4)一時間以上しっかりと乾燥させる。
ステップ② 漂白します
「①除菌」で黒いカビの色が取れれば「②漂白」は不要ですが、菌が奥まで根を張っているなど、気になるようでしたら、ぜひ試してみてください。
今度は、次亜塩素酸ナトリウム溶液の出番です。
漂白のために用意するもの
「木材専用カビ取り剤」… ”カビホワイトカビソフト除去スプレー”や”カビ取り侍”がよく使われているようです。
漂白の手順
1)カビの発生箇所から約10㎝離れたところから、ざっとまんべんなく、湿る程度にスプレーする。
2)約30分放置した後、まだカビが残っていたらその部分だけスプレーしてまた30分放置
3)これを繰り返し、カビの色が消えたら、ざっと雑巾で水拭きしてから乾燥させる。
4)作業後は、手と顔、特に目の周辺を洗う。
予防するにこしたことがない
カビが出来てから除去することができることも出来ますが、予防するに越したことは無いです。
それは、常に快適で衛生的な環境で眠るためにも重要なことです。 基本的には、「換気」・「除湿」・「掃除」3点が大方針になります。
1.換気(部屋の換気以外の3つの換気)
(1)寝具は通気性の良いものを選ぶ
敷布団やウレタンマットよりも、コイル(スプリング)マットレス(※)の方が通気性に優れます。
(2)ベッドフレームは、壁から10㎝離して設置する
ベッドはただでさえ場所をとるので、心情的には出来るだけ壁にピッタリ付けたくなるかもしれません。
でも、10㎝ほど離して設置すると、湿気が逃げやすくなり、また、壁の結露も避けられます。
(3)ベッドの上で、敷寝具の裏面を解放する
マットレスなら、ベッドの上で浮かせます。
やり方は、高さ10㎝程度のものを四つ用意して、マットレス裏面の四隅に差し込んで浮かせると、湿気が抜けます。 たとえば、曜日を決めるなど、定期的に行う習慣をつけることをおすすめします。
もし、敷布団であれば、ベッド上で三つ折りにすると、湿気が抜けます。 基本毎日やることがおすすめです。
2.除湿
湿度の高い日が続いたり、換気を補う方法としては「除湿」が役立ちます。
除湿器、エアコンの除湿機能も利用できますし、寝具の下に除湿シートを敷いたり、ベッド下スペースに除湿剤を置く方法もあります。
湿気の気になる箇所に合わせての対策がおすすめです。
3.掃除・洗濯
上でも触れましたが、カビの原因は「湿気」以外に「カビの胞子」「養分」の2つがあります。
ベッドの周囲をこまめに掃除したり、シーツを選択する頻度を上げると、カビの胞子や、養分(皮脂や毛髪などのハウスダスト)が洗い流されるます。
意外とカビ対策として効果の大きい方法です。
カビに強いすのこベッドおすすめ厳選4つ
すのこベッドをカビ予防目線で選ぶなら、「樹種」と「部屋干し機能」がポイントです。
部屋干し機能… 商品によっては、「すのこ」の床板が山折りに立ち上がる「スタンド機能」を備えたものがあるので、布団派の方は検討してみてはいかがでしょうか。
1.檜(ひのき)すのこベッド【国産ひのきすのこベッド無塗装】
防カビ・防ダニ効果のある天然の「ひのき」がすのこだけでなくベッド全体に使われているので強力です。
2.桐(きり)すのこベッド【kirimuku キリムク】
桐の天然無垢材がカビやダニの発生を抑え、頑丈な構造。「敷布団」を使っても体にもベッドにも負担がありません。
3.2カラー天然桐すのこ折りたたみベッド『RONTAN ロンタン』
調湿力のある天然の桐材ですから一年中サラッとした使用感です。
桐の特徴として、カビ・ダニの繁殖を防ぎ、かつ、軽量で持ち運びが楽々。
布団を乗せたまま折りたためるので、ぜひ室内の陽の当たる場所に動かして、天日干しください。
4.スタンド機能付きすのこの跳ね上げベッド【Long force ロングフォルス】
1台で3役使える国産頑丈大容量収納ベッド。すのこ床板の跳ね上げベッドです。
まとめ
すのこベッドは、床板に通気性があるため、カビ防止に有効な手段の1つではありますが、予防策を怠るとカビが繁殖することもあります。
もし、カビが付いたら、まずはアルコール除菌。 それでも、カビが根を張って黒ずみが取れない場合には、漂白を行います。
除菌・漂白の手間を省くためにも、そして、寝床を衛生的にキープするためにも、予防が大切です。
カビに強いベッドを使いつつ、換気・除湿・クリーニングを習慣づけることも、併せておすすめします。
関連記事
関連檜(ひのき)すのこベッドの7つの特徴と国産ひのきベッド厳選5つ