ベッドのカビ予防策。 できるだけ手間をかけずにできる効果的な対策は無いだろうか、とお悩みではないでしょうか。
ベッドは頻繁に動かさない家具ですし、また基本的に布団の上げ下ろしをしませんので、寝汗、空気の流れ、そして、カビが繁殖してベッドがダメになってしまわないか…と気になってしまいますよね。
その一方で、あまり手を掛けたくないのも本音。
ベッドを使う人の生活環境に照らし合わせて、原因に沿った対策だけに重点を置くことで、対策が時短になります。
購入前であれば、ベッドを選ぶ段階でも工夫ができますので、あわせてぜひ参考にしてみてください。
ベッドのカビの原因
カビ繁殖の条件
カビ繁殖の条件は
- カビの胞子
- 湿気
- 養分
これら3つがそろうことです。
例えば、たとえ湿気が高くてカビの養分が豊富にある環境であったとしても、カビの胞子が無ければ当然カビは繁殖しません。
カビの胞子を湿気や養分が育てることで、カビは繁殖するのです。
カビの繁殖はどこから?
カビの繁殖の原因はどこからくるのでしょうか。
それぞれの寝る環境によって違いますし、また、それによって対策が変わってきます。
1.カビの胞子は、ベッド以外からやってきます。
ベッド以外から来るカビの「おおもと」とは、水回り・結露の近くで既に繁殖したカビです。
大なり小なりどこの空気中にも浮遊しています。
2.ベッドの湿気は、部屋の空気の湿気がベースで、これに寝汗が追加されます。
ベッドの湿気といえば「寝汗」が分かりやすいですが、それだけではありません。
部屋の空気の湿度がベースになります。
- 梅雨や雨天
- 部屋の築年数の浅さ
- 風呂場
- キッチン(調理・炊飯器・皿洗い)
- 洗濯物の部屋干し
- 加湿器・・・
カビの繁殖に対してこれらが影響します。
『北向き角部屋1階のワンルームの新築アパートで、換気をせずに加湿器を長時間掛けつづける』
と、寝汗が少なくてもカビやすい環境にあります。
3.ベッド周りの養分は、ヒトの皮脂・垢・毛髪、そしてホコリ全般です。
カビの養分となる皮脂、垢、毛髪、ホコリは、
- 布団やシーツ、マットレスなど
- ベッドの下
ベッドの周囲に集まりやすい傾向にあります。
原因に対応した3大予防策とは
湿度+寝汗への対策は、
- ①換気系対策 … 湿気を散らす
- ②吸湿系対策 … 湿気を吸い取る
カビの胞子への対策は、
- ①換気系対策 … 胞子を外に排出する
- ③メンテ系対策 … 胞子を洗濯する
養分への対策は、
- ③メンテ系対策 … 養分を洗濯・掃除する
それでは、対策の種類ごとに具体的なアイデアをご紹介します。
①換気系予防策7つ
※予防策7つのうち1~5は継続的に手間がかかることがありません。
①-1)通気性の良い床板を選ぶ
ベッドを選ぶ際に通気性のいい「床板」かどうかを確認します。
床板にはバリエーションがあります。
- スチールメッシュ
- すのこやウッドスプリング
- すき間のあるフラット板
- 畳や無垢材
- すき間の無いフラット板
…と、これは通気性のいい順です。
①-2)通気性のよいマットレスを選ぶ
マットレスを選ぶときは、基本的には、寝心地、腰痛対策、厚さ(座面の高さに影響)を第一に優先されると思います。
一方で、マットレスによって通気性の良し悪しに差があります。
マットレス種別を、通気性のいい順に並べると
- ボンネルコイルマットレス
- ポケットコイルマットレス
- 詰め物の多いコイルマットレス
- 固綿マットレス
- ウレタンマットレス
が目安になります。 一つの参考にしてください。
①-3)マットレスの側面が開放されたベッドを選ぶ
マットレスは側面で呼吸しています。
「マットレスをベッドフレームの囲いの中に落し込むタイプ」のベッドではなく、マットレスの側面が開放されたベッドを選ぶと、喚起力は比較的高くなります。
そうはいっても例えば、子供の落下によるケガ防止のために、フロアベッドを選ばれる事もあると思います。
もしベッドを配置する部屋が、湿気の多い環境である場合は、少し座面が高くなりますが、「マットレス上乗せタイプ」のものを選ばれることをおすすめします。
①-4)もしマットレス側面を覆う「落とし込みタイプのフロアベッド」を選ぶ場合には、少しでも通気の優れたのすのこを
▼希少なプラ脚付きすのこを用いたベッド≫【shelly シェリー】
桐のすのこの裏には、プラスチックの脚が付いており、すのこは浮いています。
密閉空間を極力減らして、空気の流れが起こりやすくしています。
①-5)ベッドフレームを壁から離す
大きな家具は一般的に、生活動線のためにも、部屋を広く見せるためにも、部屋の端に置く事が鉄則です。
ベッドに限っては、特にベッドサイドは、壁から10㎝離して置くことをおすすめします。
というのも、空気の流れをとどめないこと、だけでなく、掛け布団が落ちにくくなるというメリットもあるからです。
①-6)マットレス(下・横)の風通し
マットレスを干す事で換気の効果が見込めます。
1~2か月に1度、マットレスをローテーションするとそれが干していることになります。
もしローテーションが難しい場合や、頻度が低い場合には、代わりに、マットレスの四隅の下に同じ高さ(10㎝程度)のものを挟みこんでマットレスを浮かしてマットの下に空気を通してください。
それだけでもやらないよりはずいぶん効果があります。
①-7)部屋全体の風通し
「カビの胞子」も「湿気」も部屋にこもらせない事が大切です。
窓を開けることが難しければ、換気扇を少し強めに設定して外出する習慣を付けるだけでも効果があります。是非お試しください。
②吸湿系予防策3つ
どれも月並みのアイデアですが… 原因に沿ったものを選んでください。
②-1)除湿器
家全体または部屋全体の湿度が高い場合、除湿器を使うことも効果的です。
除湿器は購入費用や水捨ての手間を負担に感じるヒトは、エアコンの除湿機能を利用してもいいと思います。
②-2)除湿シート
体質的にエアコンが苦手などの理由から寝汗の量が多くなりがちな場合は、除湿シートが効果的です。
除湿シートを敷く場所は、上から、
- シーツ
- ベッドパッド
- マットレス
- 【除湿シート】
- 床板
- 床
の順です。
②-3)除湿剤
「ベッドフレームが床にべったりついたスタイル(※)」のベッドの場合は、除湿剤を置くというアイデアもあります。
ただ、効果を求めると除湿剤の数量が必要です。 また、除湿剤を定期的に乾かす事を失念しないよう、予定表などに書き込んでおくことをおすすめします。
③メンテ系予防策2つ
③-1)シーツを洗濯
例えば、ベッド以外にカビを見かける場合や、露出の多いパジャマで寝る習慣のある場合には特に、こまめに(週に数回)シーツ洗濯することが、カビ予防の効果が意外と大きいです。
この場合、替え(交換用のもの)のシーツを持っていると負担が減ります。
③-2)ベッド周りの掃除
でも、シーツを洗って干すのは洗濯機も物干しもそれなりのスペースを占領します。天候の悪い時期は頻度が減ってしまうのではないでしょうか。
そんなときは是非、代わりにシーツの上から掃除機をかけてください。
そして、1年に1度はそのついでにマットレスの下を掃除するとスッキリしますよ。
まとめ
上に挙げたベッドのカビ予防策は12個ありました。
予防策を網羅的に知っておくことももちろん大切ですが、実際に全部を対策することは現実的ではないかもしれません。
カビの原因は生活環境ごとに異なりますので、思い当たる原因に沿った対策の中から手間のかからないものを選んでぜひ取り入れてみてください。
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